神様も動物も、誰かを好きになってしまう。人外BLの世界

神様も動物も、誰かを好きになってしまう。人外BLの世界

よく聞くジャンル「人外」とは?

「人外」と聞くと、何やら恐ろしげなイメージがある方もいるかもしれません。しかし、人外というジャンルは懐が広く、神様や妖怪、妖精やロボットなどたくさんの萌えを内包しています。童話や神話のような世界観の作品が多いのも特徴です。竜や神様と人間の恋は、種族の違いや寿命の違いなどもあって切ないですよね。

人間とは違う時間の流れを生きる人外、その魅力

不死とも言える寿命を持つ神様や竜、1年を生き続けることすら難しい虫たち。そんな人外の生き物たちが、何かの拍子に人間や他の生き物たちと関わりを持つことでストーリーが始まります。

人外萌えの最大の魅力は、寿命や価値観の違い。あまりに寿命が違いすぎる人外と人間は、ときにすれ違い、傷ついたりします。神様からみれば、人間はあまりにももろく儚い。人間から見れば、虫たちの寿命は短い。時間の流れ方の違いは、一緒にいられる時間の違いにもつながります。ずっと寄り添っていたいのに、寿命の違いや種族の違いで叶わない。愛情ゆえに苦悩する2人の姿は、目をそらしたいような、ずっと見ていたいような不思議な美しさです。

苦悩を乗り越え、共に生きるために、人が人外の世界へ、人外が人の世界へと越えていくことができるのも人外BLの魅力です。たくさんのことを乗り越えた2人からは愛情や絆が垣間見えて、萌えと涙が同時に溢れ出てしまいそう。

切なくも暖かい、人外の物語が楽しめる作品

「equus」 えすとえむ/著 (無料立ち読みあり)

equus半身半獣の、人間とは違う生き物であるケンタウロス。長い寿命を持つ彼らは、時に友人として、時に臣下として、人間と交わり続けていました。いくつもの時代で紡がれるケンタウロスと人の物語を収めた短編集です。

神話ではおなじみの、上半身が人間で下半身が馬の生き物であるケンタウロスを取り上げた人外BL。ケンタウロスと人間の交流を描いたものから、ケンタウロス同士の強い思いを目の当たりにする人間まで、関係性も時代も違う短編が読める一冊です。

ケンタウロスといえばギリシャ神話のイメージが強いですが、戦国時代の日本で武士とともに生きるケンタウロスの短編もあります。力強いケンタウロスの体を重厚なタッチで描いているので、筋肉に萌える方にもおすすめです。

「ニィーニの森」 SHOOWA/著 (無料立ち読みあり)

ニィーニの森「この森では、赤身の肉を食べてはいけない」というただ1つの戒律のもとに、さまざまな背景を持った生き物たちが暮らすニィーニの森。動物は人に、人は動物に姿を変えながら、森の中でいくつものドラマが繰り広げられます。

こちらも短篇集です。ニィーニの森にはさまざまな種族生き物たちが集まり、各々の抱えた思いを叶えようと奮闘します。年老いたウルフとネコ科、人間のハーフがニィーニの森にやってくる短編は、別れの切なさと愛情の深さが感じられます。ひた隠しにされた愛情が、切ない……!

ほとんどの動物が擬人化されることが多いですが、まったく擬人化なしの短編が1つだけ納められています。「そこに目をつけるか!」と驚きますが、読み進めるうちにぐいぐい惹き込まれてしまうこと必至。BLとしてだけではなく、ファンタジーとしても楽しめる作品です。

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